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ホテルの系列は良く変わる。かつて私が新卒で入社した企業グループが絶頂の頃、この名門ホテルグループを買収したことがあった。その頃、まだ日本では名を知られておらず、たいへんな買物だぁ!と苦い思いをした記憶がある。現在、このホテルはIHG(インターコンチネンタル ホテルズ グループ)ANAホテルズ グループのメンバー。インターコンチネンタル、クラウンプラザ、ホリデイ・インなどのブランドを有する巨大ホテルチェーンIHGと、ANAホテルズ&リゾーツの提携によって生まれた日本国内最大級のホテルグループ。そう、早い話がインタコとANAが一緒になってしまったのだ。かつての赤坂の全日空ホテルも、今や「ANAインターコンチネンタルホテル東京」に名称変更。
ところで、お気楽夫婦はこのホテルにかつてあった「エイジアン・テーブル」というレストランがお気に入りだった。名前の通り、タイ、ヴェトナムなど東南アジア料理のダイニング。暮れ行く東京湾を眺めながら食すエスニック料理が南の島気分だった。けれど、2009年春に閉店。残念。いつか、このホテルの新しい味を求め訪ねてみようか。
■快楽主義宣言へ 「南の国のレストラン」2005年7月3日
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数年前までは典型的なバブルの遺産だった。1980年代に開発が始まり、リゾート法による重点整備地区第1号に指定された巨大リゾート。広大なスキー場とゴルフ場、スパ施設、会員向けコンドミニアム、ホテルなどが次々に建設され、JRとの連携で専用リゾート列車が走った。北海道の山中に高層ビルが何棟もそびえ立つ様は、まさしくバブルの塔だった。そしてバブル崩壊後、会員権販売が不振に陥り、1998年に経営破綻。その後も紆余曲折があり、現在は“ホテル再生の神様”星野佳路率いる星野リゾートにより運営されているアルファリゾート。お気楽夫婦が訪れたのは、1997年の経営不振が周知の事実となった頃。なくなる前に行っておこう!という軽いノリだった。
ところが、行ってみたら驚いた。その雪質の良さ、施設の広大さは想像以上だった。日本には存在しなかったスケールの大きさは、ワクワク感を超え、現実感がなくなってしまう規模。まるで異空間に迷い込んだようだった。宿泊したのはガレリア・スイート。全室スイートルームの高層ホテルという発想自体がバブリー。お気楽夫婦が宿泊した部屋は、ジャグジーとサウナ付きの100㎡以上の専有面積。滞在中に一度も使わないベッドルームもあるゼータク(ムダ?)な間取り。一部施設は既に一時使用中止しており、寂しさはあるものの、スパやレストランなどの施設も充分楽しめた。抜群の雪質、広大なゲレンデ、カービングスキーの機能とで、何倍もスキーが上手くなった(気がした)。また行こう!そう思わせるリゾートだった。
それから10年余り。スキーの熱が冷め、ゴルフをやらないお気楽夫婦。再訪は叶わず。いつか、お気楽夫婦に真の意味でゆとりができ、滞在型のリゾートを楽しめるようになった時に、訪れる日が来ることを楽しみにしている。…星野リゾートさん、それまでよろしくお願いします。
*現在は「星野リゾート トマム」
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なにしろ「日本の宿」である。堂々たる名付けっぷりである。山形県かみのやま温泉にある日本の宿 古窯は「プロが選ぶ日本の旅館100選」の常連だったり、TVなど多くのメディアに紹介されたり、有名人の宿泊客(これでもか!という程の著名人の絵付けをした楽焼きの皿が飾ってある:色紙よりは風情がある)が訪れていたり、銀座に日本料理の店を出したり、まぁつまり、評価の高い有名な宿である。何を文句の付け様が…ある。
施設の老朽化が目立つのは仕方がない。きちんと掃除が行き届いていて清潔である。きめ細かなサービスもある。料理も美味しい。けれど、いわゆるお仕着せのものに感じられる。優等生的な正解なのだけれど、面白みのない回答。ゼータクな感想だとは思う。初めて宿泊した20年以上前には、宿の豪華さやサービス、料理に感嘆した。私も歳を取り、あちこちの宿に宿泊し、驕ってしまったのかもしれない。けれど、老舗の名門旅館を守るのならば、ONE & ONLYの魅力が欲しいなぁと。もしかしたら、古窯が始めて他の旅館が模倣したサービスなどがあるのかもしれない。だから手垢が付いたものに感じるのかもしれない。であれば、それを超える新たな魅力を、サービスを創造しなければいけない。偉そうだけれど。誤解のないように書けば、好きな宿だからこその辛口コメント。古窯を愛する皆さま、ご容赦ください。
■快楽主義宣言より(日本の宿 古窯 滞在記)
「婿殿も修行中」2010年8月15日
「センチメンタル ジャーニー」2008年4月12日