ザ リッツカールトン ボストン(当時)

BOSTON/ボストン

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そのホテルに宿泊したかったのは、そのホテルのバーで「サミュエル・アダムス」というビールが飲みたかったから。ロバート・B・パーカーの書く探偵小説シリーズの主人公である私立探偵スペンサーが、そのホテルのバーで通りを眺めながら飲むビールは、サミュエル・アダムス。そして、そのホテルの名前は、リッツカールトン。夏にはスワンボートが浮かぶボストン パブリックガーデンに面し、アーリントン通り沿いにあるリッツ。1927年に創業したというアメリカで最初のリッツ…でなければいけなかった。お気楽夫婦がそんな思いでボストンを訪ねた1999年の夏、そこにはスペンサーの(そして、パーカーの)愛したバーが、物語の中に登場するままの姿で存在した。チャールズ川に遊ぶヨット、川辺を散策する学生たち。スペンサーの探偵事務所がある場所を訪ね、街に登場人物たちの気配を感じることができた。今思えば、幸運な旅だった。

2002年に始まった大改修を経て、2007年、そのホテルはインドの財閥グループであるタタに買収され、ザ・タージという名前のホテルになった。タタグループにリッツの名前は譲らず、リッツは同じボストンにザ・リッツカールトン・ボストンコモン(2001年オープン)として残った。そして、2010年ロバート・B・パーカーが亡くなり、スペンサーが愛したリッツのバーは、パーカーの描いた物語と、お気楽夫婦をはじめとした多くの読者の記憶の中に残ることになった。

■快楽主義宣言より 「ボストンのビール」2005年5月4日 ボストン滞在記

ハイアットリージェンシー ボストン

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歩いて楽しい街、ボストン。このホテルは、ダウンタウンにも、ボストンコモンにも、ビーコンヒルにも、バックベイにも、近い。だからつい歩いてしまう。けれど、心配ない。歩き疲れても、タクシーや地下鉄でも便利な場所にあるこのホテルにすぐに帰って来られる。使い勝手は良い。けれど、決してラグジュアリーな施設を期待してはいけない。リノベーションを行いこぎれいにはなっているけれど、決して最新の設備ではない。

それでも、小さいながら外光の注ぐプール、最小限のマシンを揃えたジムなどがある。ホテルを楽しむのではなく、街を楽しむには充分なホテルだ。

:あくまで個人の嗜好・お気に入りの度合いです