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あつみ温泉は、開湯約1,000年というから、平安時代から続く歴史ある温泉。中でも360年以上の歴史を誇る老舗旅館が「たちばなや」だ。昭和天皇をはじめ、皇太子・皇太子妃などの皇室の方々が宿泊した名旅館でもある。あつみ温泉に宿泊するなら、この宿をいちばんにお薦めする。良きライバルである萬国屋の豪華さはないけれど、上品で楚々とした風情の佇まいは、お気楽夫婦が日本旅館に求める姿にぴったり。まずは風呂が良い。檜をふんだんに使った大浴場、続きの露天風呂、貸切の展望露店風呂の「星の湯」は快適そのもの。大浴場の中央にある檜の枕に頭を置き、高い天井を眺めていると、すーっと現世の雑事が消えて行く。落ち着きと趣のある客室で、ゆったりとした気分で食す夕食、そして何よりも朝食が絶品。日本旅館の朝食はかくあるべきという少量多品の皿が並ぶ。そのひとつひとつに心がこもる。そして、緑溢れる庭を眺めるラウンジや待ち合いコーナーで過ごす時間も悪くない。大切な人をもてなす宿として、ぜひ一度は訪れて欲しい。
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2010年、話題のエリアである。普天間飛行場の移転問題で揺れる新政権。その移転先として話題になっているキャンプ・シュワブがある名護市。そのジュゴンも出没するという辺野古崎付近に、新たに滑走路を造ろうというのが日米両政権のかつての合意。お気楽夫婦がそのリゾートを訪れたときにはまだ両国が協議中。リゾートの対岸に見える辺野古崎を眺めながら、感慨深く…などという思いが飛んでしまうリゾートだった。
ここは本当に日本なのか?と思うスケールの大きさ。何しろ敷地面積80万坪、良くある表現で言えば東京ドーム60個分。チェックインした後は、専用のカート乗り放題。これがまた楽しい。フロント棟からホテル棟への移動だけではなく、ビーチやレストランへの移動も全てカート。私有地内だからと勝手に言い訳し、食事の後(当然酔い心地)のカート運転がこれまた楽しい。サザンなどを大声で歌いながらカートでぶっ飛ばす…とは言えご存じの通り、せいぜいスピードは10km/h程度ののんびり運転。南の島の闇の中、妻と2人で大笑いしながらのドライブ。
そして何より、部屋の広さも国内リゾートでは最大級。お気楽夫婦はアップグレードの恩恵を被り、天蓋付きベッドがある客室面積64.8㎡、アウトドアジャグジー付のバルコニー面積32.4㎡、併せて100㎡弱というリゾート気分満々の部屋で宿泊。実に幸福な滞在だった。この春に出されるという政府の結論が、美しい海とリゾートにどのように影響を与えるかを見守りたい。
※詳細は下記リンクの記事参照
■快楽主義宣言より 「ニライカナイの向こうから」(カヌチャベイ滞在記)
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東京赤坂に「阿部」という料理店がある。心を込めた食材を用いて、正しい日本の食事を追求する店、だという。…というのも訪問しようかという矢先に、ミシュランの☆を取ってしまったのだ。2007年に訪ねた山形の温泉宿「亀や」が経営する店。その宿での食事が美味しかったが故に訪問しようかと思っていた直後に。☆付きの店と知って訪ねるのはテレてしまうお気楽夫婦。これで「赤坂阿部」訪問する機会が永遠に失われたかもしれない。残念だ。
ところで、亀やは豪華な外観ながら、至極フツーの温泉旅館の顔をしている。フロントも、お土産コーナーも、お風呂も、ベタな温泉旅館。ところが、「KAMEYA514-519」と名付けられた6部屋だけは趣が異なる。オーシャンフロントの部屋にツインベッドがどんと置かれ、海に向いた窓にやはりどんと大きな皮のソファ。すっきりとしたワンルーム風の部屋に檜風呂付き。ベッドルームとの間にある扉を開け放つと、外を眺めながら風呂に浸かることができる。そして、100畳敷きの大広間を改装したという竜宮殿 ダイニング「千尋坊」もすっきりモダンな空間。日本海の海の幸、庄内地方の豊かな食材が一段と美味しく感じられる。日本旅館の新旧の趣と味わいを、絶妙に組み合わせた宿だ。
*2012年7月、新装なった「HOURAI」という特別フロアに宿泊。妻はミッドタウンのリッツカールトンより気に入ったと言ってくれたが、それはホメ過ぎだろう。けれどもそう言われて悪い気はしない、故郷の自慢の宿として、さらなる進化を遂げた。
【快楽主義宣言へ】
■「海を眺める宿」2012年8月5日
■「海と野を味わう宿」 2007年7月29日
■「海と空を眺める宿」 2007年7月28日