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2002年、出張で何度か上海を訪れた。15年ぶりの上海は違う国、違う街になっていた。その地の底から沸き上がるようなエネルギーを身体中で感じ、恐怖にも近い高揚感を味わった。合わせて1ヶ月以上の滞在となった上海。かつて「魔都」と呼ばれた街。観光で訪れるだけでは見えないいろいろな面に触れることもできた。そんな街の象徴のひとつがこのジン マオ タワーだった。初めてその威容を見上げ、初めて館内の吹き抜けを見下ろし、窓の遥か下に古い街並を眺めた時、2002年という現実の世界とズレが生じていた。上海の過去と未来の境界線に建つモニュメントのような存在に感じた。同じ年、上海蟹の季節に妻を伴って上海を再訪した。宿泊先はこのホテルと決めていた。80階を超える高さに宿泊し、57階のジムで走った時、ようやくこのホテルが現実のものとなった。
【快楽主義宣言より】
■「上海、徹夜明けの焼万頭」 2005年5月11日
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ホテルの系列は良く変わる。かつて私が新卒で入社した企業グループが絶頂の頃、この名門ホテルグループを買収したことがあった。その頃、まだ日本では名を知られておらず、たいへんな買物だぁ!と苦い思いをした記憶がある。現在、このホテルはIHG(インターコンチネンタル ホテルズ グループ)ANAホテルズ グループのメンバー。インターコンチネンタル、クラウンプラザ、ホリデイ・インなどのブランドを有する巨大ホテルチェーンIHGと、ANAホテルズ&リゾーツの提携によって生まれた日本国内最大級のホテルグループ。そう、早い話がインタコとANAが一緒になってしまったのだ。かつての赤坂の全日空ホテルも、今や「ANAインターコンチネンタルホテル東京」に名称変更。
ところで、お気楽夫婦はこのホテルにかつてあった「エイジアン・テーブル」というレストランがお気に入りだった。名前の通り、タイ、ヴェトナムなど東南アジア料理のダイニング。暮れ行く東京湾を眺めながら食すエスニック料理が南の島気分だった。けれど、2009年春に閉店。残念。いつか、このホテルの新しい味を求め訪ねてみようか。
■快楽主義宣言へ 「南の国のレストラン」2005年7月3日
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お気楽夫婦にとって、香港には2つの憧れのホテルがあった。ザ・ペニンシュラ、そしてザ・リージェント(麗晶酒店)だった。尖沙咀の突端にあり、ヴィクトリアハーバーと香港島の街並を眺めるには最高のロケーション。1995年、初めて香港を訪れた際に、ペニンシュラに良からぬ印象を(勝手に)持ったため、2度目の香港の宿泊先はリージェントと決めていた。そして1997年、待望の宿泊。チェックインをする際に、何となくupgradeということばは聞こえていた。何となくThank you!とも答えておいた。そして、案内された部屋に入った時に、自分のヒアリングが正しかったことを理解した。アップグレード!通されたのは、大きな窓ガラスいっぱいに香港島の景色が広がる、ジュニアスイート!素晴らしい!その瞬間から、滞在中ずっと窓際に陣取り、ハーバーの景色を眺めていた。香港が中国に返還される直前、何かイベントがあるらしく、ハーバーには世界各地から集まったクルーザーで溢れていた。より豪華なハーバーの往来。昼も、夜も、飽きることなく眺めていた。
リージェントのもうひとつの魅力は、やはりヴィクトリアハーバーを見下ろすプールとジャグジー。ジャグジーの水面と海面とが連続して見えるようなデザインで、インフィニティ(無限)のように見える、インフィニティプール・ジャグジーの先駆け。リージェントと言えば、このジャグジーの写真が紹介されるお約束のポイント。さらには、メインダイニングのライ・チーン・ヒン(麗晶軒)の点心もこのホテルの自慢。ちょっとよそ行きの上品な美味しさだった。
…ところで、現在はインターコンチネンタルホテルズの傘下に入り、インターコンチネンタル香港となった。ペニンシュラとも(これまた一方的に)関係修復した現在、このホテルに再度宿泊する日が訪れるかどうかは、残念ながら未定。