贅沢な時間「ロイヤル・ピタ・マハ」バリ

Photoウブドを訪ねるなら、このレストランで食事をするためだけにそのホテルを宿泊しても良い。絶賛すべきはその眺望。アユン川に向かって急な角度で落ち込む谷、対岸の峻険な崖、鮮やかなピンクの花を咲かせる木々、濃緑の椰子の林、それらの景色の中に自然の一部として佇むヴィラ。朝の光を浴びながら舞い上がるイワツバメの群れ。テラスから眺めるその景色に、身体が解れていくのが判る。つくづくここに来て良かったと笑みが零れる。

Photo_3ロイヤル・ピタ・マハでは、意識して身体の力を抜く必要はない。その敷地に一歩足を踏み入れ、スタッフの柔らかな笑顔と出会い、伝統的なバリ王朝文化を伝承するリゾートの空気を吸い込んだ瞬間に、ふわっと身体が軽くなる。流れる時間に身を委ね、好きな時に好きな場所で気に入りの作家の作品を読む。お腹が空いたら、にこやかな笑顔と共に運ばれてくるミ・ゴレンやナシ・ゴレンを頬張り、冷たいビンタンビールを喉に流し込めば良い。そんな風にゆったりと時間が流れていく昼下がり。

Photo_2穏やかに過ごした午後の終わりには、隣接するキラーナ・スパで身体を整える。リラックスした身体に、さらに優しい時間が流れていく。まどろみの至福の後に、緩やかなトリートメントがもたらしてくれた満足感が身体中に満ちていく。ほゎっと、しゃきっと、気だるさと爽快感が相混じった幸福なリフレッシュメント。緑豊かな敷地の中に、建造物が心地良いバランスで配置される。そこにいるだけで癒される空間。素朴な自然と洗練されたデザインが融合する上質な施設。

Photo_4このホテルに滞在できるのは、せいぜい3、4日。それ以上は危険。リラックスし過ぎて社会復帰できないか、脳みそが溶け出して日本での記憶が戻ってこないという副作用がある。ヴィラだけの小さなホテル。スタッフとも顔なじみになり、初日から名前で呼びかけられる。そこに住んでいるような安心感。…お気楽夫婦にとっては2度目のウブド。10年前に初めて訪れた際に宿泊したのはバニヤンツリー・カマンダル(当時)。たまたまアップグレードしてもらって宿泊したプールヴィラ。思えば、その時に嵌ってしまったのだった。空間の贅沢、空気の贅沢、時間の贅沢、精神の贅沢。ヴィラの滞在には、そんな全ての贅沢が詰まっている。

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