Archive for 6 月 7th, 2009

親娘の酒「山ほたる」「せつなとのきずな」高田酒造場

Photo気楽夫婦が通うスポーツクラブの近くに東京農業大学がある。箱根駅伝の常連校で、応援団の“ダイコン踊り”で有名だけれど、もちろんそれだけの大学ではない。地元の自治体や商店街と連携して生ゴミを有機肥料として活用する活動を行っていたり、応用生物化学部などというバイオサイエンスを学べる学部があったりする。そしてその学部の中に、全国でも唯一「醸造」という名前を冠する学科がある。その名も醸造科学科。早い話が“酒”の醸造を学ぶところだ。(もちろん、味噌や醤油、酢なども研究対象)これは凄い。大学で酒造りを学ぶのはどんな学生たちなんだろう。そんな学生の1人とスカッシュコートで知り合った。熊本出身、実家は造り酒屋。九州熊本だけに日本酒ではなく、造っているのは球磨焼酎。

週ニコタマの髙島屋でまた販売やってまぁす。良かったら来てくださぁい♪」大学4年生とは言え小柄で童顔の可愛い女の子。コートの外から彼女のプレーする姿を観ていると中学生ぐらいにしか見えない。けれど、いったん仕事の話になると、父親譲り(らしい)の情熱がことばの端から湧き出て来る。「担当の方に気に入っていただいて、最近は私だけで売場任されてるんです」父親の仕事を手伝い、年に何度か玉川髙島屋の酒売場でスペースをもらって販促している内に、すっかり“東京営業本部長”のような立場になったという。うん、分かった。ちょうど髙島屋に行く予定があるし、日曜日に売場に行ってみるよ。1ダースぐらい買えば良いの?「えぇ!そんなにたくさん?お願いします♪」…女の子には甘い私。

Photo_2川髙島屋の地下、酒売場は食品売場の面積の割には広いスペース。その日も九州の地酒(焼酎、泡盛中心)の試飲即売会以外にもワインの試飲即売を展開中。高田さん、来たよぉ♪「ありがとうございます。さっそくいろいろ飲んでみてください」まずは高田酒造場自慢の野生の花から酵母菌を採取して造ったという花酵母シリーズから。うん、旨い。フルーティで上品な米焼酎だ。続いて「山ほたる」という少量限定の酒。自家栽培の山田錦と岩清水を使った吟醸造りの酒。口に含むとふわっとした吟醸香。えっ?焼酎でしょ?日本酒だっけ?という味だ。繊細で優しい味わい。これは美味しいねぇ。まずはこれ買いだね。「ありがとうございます。次はこれを飲んでみてください。ちょっと面白い酒です」

Photo_3渡された琥珀色の酒をひと口。えっ!なんだこりゃ!ウィスキー?オークの香りだ。「そうなんです。オーク樽とかシェリー樽で貯蔵した酒をブレンドしたものなんです」美味しぃ〜ぞぉ!これは♪「ありがとうございます。担当の方に気に入っていただいて、髙島屋のオリジナルでブレンドしたものなんです」瓶も焼酎らしからぬ、と言うよりウィスキーを意識した瓶と蝋で閉じたキャップ。酒のネーミングといいパッケージといい、お父さんはきっと酒が大好きなんだろうね。「はい。そうなんです。懲り過ぎてしまうところもあるんですけど」なるほど。娘が醸造を学ぶなどと宣言した時には、きっと独りで祝いの酒を飲んだんだろうなぁ。おしっ、これも買った。「ありがとうございます」

うして2本の球磨の美酒がわが家にやって来た。これで愛飲する酒が増えた。「山ほたる」は日本酒代わりに。「せつなとのきずな」はウィスキーのように。どちらも笑みが零れる味だ。「だからって、飲み過ぎでしょ。家で独りで飲んで二日酔いって言うのはちょっとどうかな」と妻。それだけ美味しい酒で、幸せな生活ってことでしょ。「酔っ払いの自己弁護にしか聞こえないけど…」うぅむ。

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