新宿高島屋の鮨源が、お気楽夫婦の行きつけの寿司屋だった。銀座あたりの高級店では敷居が高く、皿が回る店ではちょっと淋しい。異論がある人も多いかと思うが、2人にとって鮨屋は“ハレ”の食べ物。寿司は江戸時代の屋台から始まったんだから庶民の食いもんでぇ!という江戸っ子もいらっしゃるだろう。けれど、ホントに美味しい!と思える店だけで、きちんと、でも気軽に食べたいというのが寿司屋に対する2人のスタンス。具体的には、季節のネタが揃っていて、きちんと仕事がしてある。余り店は大きくなく、かと言って常連さんだけが居座る店でも困る。カウンタの中の板さんとの距離は近からず遠からず。居心地良く食べられる。そんな店。
そんな店が近所にあればなぁと探し続けたら、あった。2009年に千歳烏山に開店した「鮨 いち伍」だ。白木のカウンタ、オリジナルのネタケース。すっきりとした空間に、黒い漆の寿司台が輝き、その上に更に輝く握りの数々が供される。醤油皿はあるものの使う必要はない。それぞれのネタにあった仕事が丁寧にほどこされ、そのまま口に運ぶだけで幸せが訪れる。妻はすっかり他の店で食べることを止めた。中途半端な寿司は食べたくない!・・・のだそうだ。
【快楽主義宣言より】
■「幸福の17貫(後編)」 2016年4月2日
■「幸福の17貫(前編)」 2016年3月26日
■「鮨の旨さはグローバル」 2015年4月15日
■「スシ食いねぇ」2012年11月25日
■「満足度UP↑」 2012年10月21日
■「春よ来い♡ 春子(かすご)の春」 2011年4月16日
■「常連化計画進行中!」 2010年2月7日
■「ご近所寿司屋常連化計画」 2009年12月20日