日本にもメキシコ料理の店は少なくないかもしれない。けれど、テキーラのバーは貴重。この店の魅力は決して洗練されていないメキシコ家庭料理であり、日本語の上手なメキシコ人オーナーの中途半端に愛想の良い接客だったり、脱力系のもの。けれど、テキーラの種類と量は半端ではない。なにしろ、オーナーが里帰りの度にスーツケースにたっぷり詰め込んでかえって来るらしい。日本ではほとんどお目にかかることのない珍しいテキーラがある。このテキーラを語る時にはオーナーは饒舌になる。いつ行っても店は空いているが、しぶとく頑張っている。長く続けて欲しい貴重な店。
【快楽主義宣言より】
■「パリの上のメヒコ!」 2005年5月6日