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小さな店だ。ちんまりと10席のみ。オープンな厨房もちんまり。今まで訪れた中でも1,2を争うぐらいの狭さ。だからこそ2人のソムリエ(内1人はシェフ兼任、1人はサービス担当)は、気が抜けないはずだ。客のすぐ目の前で料理をし、客の声を聞きながらサービスをする。立ち振る舞いが全て客から見通せる。逃げ場がない。けれど、客が緊張することなく料理が楽しめるようなテーブルレイアウト。実に巧く小さな店の中に4つのテーブルと10脚の椅子が嵌っている。トイレもコンパクトながら清潔で快適だ。
ところで、料理だ。懐が深い。オーソドックスな料理から、初めて味わう新鮮な組合せまで、それぞれに小さな歓びや驚きがある。どの料理もお気楽夫婦の好きな傾向の味。小さな店だからメニューは決して豊富ではないけれど、充分。それを補う豊富なワインもお手頃価格からスタンバイしている。ゆったりと味わえるランチも良い。ランチの価格も1,400円〜2,100円と、このクォリティなら、実に手頃。さらにおススメは貸切。小さな空間だからこそ、専任のシェフとソムリエ付きでホームパーティを開いている趣き。いつかまた、貸切でお邪魔したい♬
■IGA“快楽主義”宣言より 「今日もワインだ!」2013年4月21日
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たん熊北店二子玉川店で本城さんにお会いしたのは偶然だった。予約なしで訪れ、お店に入れなかったこと数度。初めて予約して、たまたまカウンタ席の右端に座り、店長だった本城さんと話をしたのが幸せの味の始まりだった。以来、その席で季節の味をいただく度に幸せな味と時間と空間を楽しんだ。妻はその店で食事をすると幸せな気分になると言い、不満に思った料理はひと皿もなかったと微笑み、だからこそ大事な日に訪れたい大切な店だと呟いた。
2009年春、本城さんが独立したことで、その「幸福のカウンタ席」は一駅離れた用賀に変わった。たん熊という大きな店で采配を振っていた時よりも、さらに生き生きとされている。こぢんまりとした、全ての席に自分の目が充分に行き届き、自らが思うように料理を作る喜びをご自身も味わい楽しんでいるように思える。そんな本城さんの料理が楽しくないはずもない。そして、その楽しさを堪能するためには、やはりカウンタ席だ。ゆったりとした椅子に、おちついた色合いのカウンタテーブル。カウンタの向こうでは、本城さんを中心とした白衣の一座のエンタテインメント・ショーが始まる。そして、供される料理の一皿一皿が美しく、その満足の味の組合せは、頷き、ただほほ笑むしかない。これからも変わらず季節毎に通うことになるだろう。
【IGA快楽主義宣言より】
■「待望の鮎尽くし」2013年9月23日
■「京都の夏に乾杯♬」2013年8月11日
■「京は、和飲で。」 2013年4月12日
■「スリムビューティーは男前」 2012年11月19日
■「友と味わう季節」 2012年5月27日
■「オトナのカウンタに魅せられて」 2012年4月22日
■「秋味堪能!参りました!の栗ご飯」 2011年10月23日
■「至高のランチ」 2011年7月23日
■「お気楽な2人ができること」 2011年3月22日
■「最後の晩餐」 2010年12月31日
■「オヤヂ、女子会に闖入!」 2010年9月19日
■「20年間で一番!」 2010年2月21日
■「毎日がクリスマス(前編)」 2009年12月26日
■「仲間と味わう美味」 2009年10月10日
■「食材のマリアージュ」 2009年7月11日
■「店の味、人の味」 2009年5月2日
■「人を繋ぐ味、人を繋ぐ店」 2009年3月1日
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北京に行って全聚徳で本場のローストダックを食べたいと思っていた。浅田次郎もこの店のダックを食べるために北京に飛ぶらしい。けれど昨今、PM2.5やら黄砂やら反日感情の高まりなどで、すっかり北京に行く気が失せた。けれど何の心配もない。新宿で本場の北京ダックが食べられる。
*銀座店もある。
最初にカリッと炙った胸肉を少量、何と砂糖をまぶしていただく。皮の裏の脂と砂糖の甘さが絶妙なハーモニー。まぁ、少量で良いけれど。そして、続いてはメインの皮付きの肉。荷葉餅に甜麺醤を塗り、細切りネギ、キューリと一緒に巻いて食す。ジューシーなダックと野菜のシャキシャキが口の中で一緒に踊り出す。実に旨い。ダックの肉を削ぎ落すスタッフに続いて、この肉を丁寧に巻く作業も女性のスタッフがやってくれる。このパフォーマンスもテンションアップ。
もちろん、前菜やデザートまできちんと美味しい名店で、北京へバーチャルトリップ♬
■IGA“快楽主義”宣言の記事より
・「北京ダックの謎」 2011年11月24日